NICTが発表した活発な太陽活動
国立研究開発法人情報通信研究機構(通称:NICT)によれば、日本時間5月8日(水)10時41分以降に発生した大規模な太陽フレア5回を含む複数回の太陽フレアの発生を確認し、この太陽活動により発生したコロナガスが地球方向へ放射したことが確認されたと発表しました。
コロナガスは日本時間5月10日以降、順次地球に到達するため、地球周辺の宇宙環境が大きく影響を受け、国際宇宙ステーションをはじめとする地球周辺の人工衛星の障害や、地球上ではGPSの利用、衛星通信、短波通信などに障害が発生する恐れがあります。
また、今後数日間は、同様な太陽フレア発生も危惧されているため、生活に注意が必要です。
5月10日にも大規模フレア発生
8日以降にXレベルの太陽フレアが1日に2回程度発生していて、2024年5月10日の15時54分にはX3.9というここまでで最大のフレアを観測しています。
前回、2024年3月28日にもXクラスのフレアが発生していましたが、この時は、X1.1クラスでした。今回は5月9日にX2.2クラスの規模も発生しています。
地球への影響を観測している「イオノゾンデ」
これら太陽フレアによるデリンジャー現象はNICTのイオノゾンデにより観測を行っています。5月10日現在、全国各地、大気圏内の電離層圏でデリンジャー現象が観測されています。
11年周期でやってくる太陽活動
太陽活動は11年周期で活発になり、観測が始まってから現在で第25周期目(サイクル25)となっています。太陽活動はその周期に入ってから3年から6年目くらいにピークを迎えます。サイクル25は2019年ごろから始まっていて、2021年ごろにすでに前回を超えるX1.1クラスのX線を観測しています。
今年で5年目となり、ここから更に活発になると予想される中、早くもX3.9 のX線を観測していることから、今後地球への影響が懸念されています。