著名人6名の女性宇宙飛行士が誕生
宇宙旅行への夢は、かつてないほど身近になっています。2024年某日、ジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙開発企業Blue Originは、New Shepardロケットによる11回目の有人宇宙飛行ミッション「NS-31」を、テキサス州西部にある同社のLaunch Site Oneから実施しました。
このミッションの最大の注目点は、史上初の全女性宇宙飛行士6名が搭乗したことです。本記事では、歴史的な瞬間となったNS-31ミッションの様子や、宇宙飛行士たちの感動の声をお届けします。
宇宙への新たな扉を開くNew Shepard
Blue OriginのNew Shepardは、サブオービタル宇宙飛行を実現するロケットおよび宇宙船システムです。地球の周回軌道には入らず、高度約100kmのカーマンライン(宇宙と地球の境界線)を超えることで、数分間の無重力体験と地球の美しい眺めが楽しめるものです。垂直離着陸が可能な、再利用可能なブースターを用いることで、低価格な宇宙旅行を多くの人に提供できる未来を描いているものです。
NS-31ミッションは、Blue Originにとって11回目の有人飛行であり、過去には52名の宇宙飛行士を宇宙へ送り出してきました。今回のミッションでは、さらに6名の女性がその仲間入りを果たしました。
NS-31ミッションに参加した6名の勇敢な女性たち
NS-31ミッションに搭乗したのは、各界で活躍する素晴らしい経歴を持つ以下の6名の女性たちです。
Lauren Sánchez(ローレン・サンチェス)
エミー賞受賞ジャーナリスト、ニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー作家、パイロット、ベゾス・アースファンド副会長。次世代の探検家を鼓舞することを目指しています。
Katy Perry(ケイティ・ペリー)
キャピトル・レコード史上最も売れた女性アーティストの一人。娘や多くの人々に、文字通りそして比喩的に星を目指す勇気を与えることを願っています。
Amanda Nguyễn(アマンダ・グエン)
バイオアストロニクス研究科学者。性暴力サバイバーの擁護活動によりノーベル平和賞にノミネート。初のベトナム系および東南アジア系女性宇宙飛行士として、科学が平和のためのツールとなることを示します。
Aisha Bowe(アイシャ・ボー)
元NASAのロケット科学者、起業家、グローバルSTEMアドボケーター。コミュニティ・カレッジから宇宙へという自身の道のりが、バハマや世界中の若者に夢を追求するインスピレーションを与えることを願っています。
Gayle King(ゲイル・キング)
受賞歴のあるジャーナリストで「CBS Mornings」の共同司会者、「Oprah Daily」の編集長。新たな冒険に常にオープンであり、自身のコンフォートゾーンから踏み出すことを楽しみにしています。
Kerianne Flynn(ケリアン・フリン)
コミュニティ活動や非営利活動に尽力。女性史や公平な賃金に関する映画を制作。自身の宇宙飛行が息子や次世代の夢追い人たちへのインスピレーションとなることを願っています。
打ち上げ、無重力体験、そして地球への帰還
打ち上げ当日、宇宙飛行士たちはBlue Originの宇宙飛行士訓練センターから出発し、「Road to Space」と呼ばれる道を通り、発射台へと向かいました。家族や友人たちに見送られ、ロケットに搭乗。カウントダウンの後、New Shepardロケットは轟音とともに空へと舞い上がりました。
約10~11分の飛行中、宇宙船はカーマンラインを超え、宇宙飛行士たちは約4分間の無重力体験を楽しみました。窓からは地球の丸みや、息をのむような宇宙の景色が広がります。
無重力体験の後、宇宙船は再び地球に向けて降下を開始。パラシュートが開いて速度を落とし、テキサスの砂漠に мягко 着陸しました。
帰還した「ゲイル・キング」感動の声
ゲイル・キングは、宇宙は「驚くほど静かで平和」であり、地球を見たことで「もっと良い人間になる必要がある」と感じたと語りました。また、無重力状態での動きは難しかったものの、ケイティ・ペリーが歌った「What a Wonderful World」に感動したと語りました。
Blue Originが描く宇宙の未来
Blue Originは、「宇宙への道をすべての人に開く」というビジョンを掲げています。今回の全女性クルーによるミッションは、まさにそのビジョンを体現するものであり、宇宙旅行の多様性と包容性を高める上で重要な一歩となりました。そして、単なる宇宙飛行というだけでなく、歴史的な意義を持つ出来事となりました。初の全女性宇宙飛行士クルーの誕生は、宇宙開発の新たな時代を象徴し、多くの人々に夢とインスピレーションを与えました。彼女たちの勇気と感動は、私たちに宇宙への好奇心を抱かせ、地球という故郷の美しさと大切さを再認識させてくれます。