CLPS:Commercial Lunar Payload Services
NASAは一世紀以上にわたり、人類の航空宇宙の探求に尽力してきました。その中でも、近年注目を集めているのが「商用月面貨物輸送サービス」(Commercial Lunar Payload Services, 以下CLPS)です。
CLPSとは何か?
CLPSは、NASAが提唱する商用月面輸送サービスの一部で、民間企業を通じて月面へと科学的な機器や貨物を運ぶプログラムです。このプログラムの目的は、月面での科学的研究を推進し、将来的には人間の月面滞在を支援するためのインフラを構築することです。
CLPSの役割
CLPSは、科学的な観測装置や技術実証機器を月面に運び、そこでの調査や研究を実施します。これらの機器は、月面の環境を理解し、資源を探索し、将来的には人間が長期的に月面に滞在するための基盤を築くのに重要です。
CLPSの仕組み
NASAはCLPSを通じて、月面輸送のための契約を民間企業と結びます。これにより、NASAは自身でロケットや着陸船を開発・運用することなく、月面探査を進めることができます。また、CLPSは新たな商用宇宙市場を刺激し、より低コストで効率的な月面輸送の方法を創出します。
CLPSの意義
CLPSは、宇宙探査の新たな形を示しています。従来、宇宙探査は政府主導で行われていましたが、CLPSは民間企業の参入を促進し、それにより新しい技術開発や商用利用が進むと期待されています。
CLPSの将来
NASAはCLPSを通じて、2020年代後半に人間の月面着陸を再開する計画を立てています。CLPSは、この目標を達成するための重要な一歩となるでしょう。
日本の宇宙ベンチャーの参画
日本の宇宙スタートアップであるispaceは、CLPSプログラムの一環として、NASAと共に月面探査ミッションを行っています。ispaceは、自社開発の小型着陸船とローバーを用いて月面に科学装置を運び、データを地球に送信する任務を担当しています。
更に、月面ローバーを開発しているYAOKIプロジェクトでは、月面探査用の超小型ローバーがCLPSとしてNASAに採択され、月面探査に向け準備をすすめています。