国際宇宙ステーションに4カ月半滞在した飛行士の若田光一さんだが、宇宙での長期滞在で、骨密度の減少をどれだけ抑えられるかが注目されていたが、運動と骨粗鬆の薬を併用する初めての試みによって、骨密度はむしろ増えていたとのこと。
宇宙に4カ月半滞在した場合、これまでデータなどから、通常、骨の強度は10%、密度は7%ほど減ることがわかっている。しかし、JAXAとNASAがCTスキャンなどで若田さんの体を調べたところ、強度はほとんど変わらず、密度は逆に増えていた。
若田さんは宇宙滞在中、NASAが作った新型のトレーニング装置で1日2時間運動していたほか、骨粗鬆症の薬を飲んでいた。このことは、ISSに滞在する飛行士として若田さんが初めての被験者らしい。
課題としては、運動と骨粗鬆症薬のどちらがより効果があったのかということだ。若田さんは「宇宙に長期間滞在すると、放射線と骨の問題が生じるが、骨についてはほとんど解決できるのではないか」と語った。
JAXAは、若田さんのデータを生かし、日本に1300万人いる骨粗鬆症患者の治療や、骨折の予防に役立てたいとしている。
(image credit: JAXA)