(Image Credit : NASA )
NASAの火星探査機マーズ・フェニックス・ランダーの観測データを分析すると、火星の北極地方では冬になると毎晩、上層の薄い雲から氷の結晶が降り注ぐことが判明した。
カナダのヨーク大学の大気物理学者ジェームズ・ホワイトウェイ氏は「地球の巻雲(けんうん)という、細いすじ状の雲によく似ている。この雲から降り注ぐ氷の結晶は、地球の北極地方で真冬の空にみられるダイヤモンドダスト(細氷)と同じ性質のものだ」
また、今回の研究チームの一員でアメリカのアリゾナ大学の惑星科学者ピーター・スミス氏は「ただし、氷の結晶に含まれる水分はほんの少しだ。この“雪”が溶けてもごくわずかな水分が残るだけだろう。火星はひどく乾燥した環境なのに、地上に届く雪が降るなんて非常に驚いた」とのことだ。
火星で生命は存続できるのか?
これまでに、火星の地下土壌に氷の層が存在することや、水の性質に大きく関係する炭酸カルシウムや過塩素酸塩が検出されたことが報告されている。
生命維持のために欠かせないものの発見はみられるが、まだまだ確実ではないであろう。