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土星の輪にナトリウム塩が含まれていることが最近25日発行の英科学誌ネイチャーで発表されました。
そのナトリウム塩が土星の衛星エンケラドスから噴出する氷や水蒸気に由来するとのこと。
エンケラドスから氷や水蒸気が宇宙空間へ勢いよく噴出していることは、
米航空宇宙局(NASA)の土星探査機カッシーニから送信された画像によって初めて明らかになりました。
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天文学者たちの間で、エンケラドスから噴出した氷や水蒸気によって、土星の輪のうち最も外側にある「Eリング」が形成、維持されているのではないかという考えが有力視されている。
ドイツのマックス・プランク核物理学研究所のフランク・ポストベルク氏は、
Eリングにナトリウム塩が含まれるという事実を説明するとなると、エンケラドスに塩水が蓄えられており、それが氷や水蒸気となって噴出していると考える以外にないと考えています。
ポストベルク氏は今週「Nature」誌に発表された論文の中で、表面を氷で覆われたエンケラドスの地下深くに海が存在するとも指摘している。
そして、その地下に広がる海では、地球の海と同じように岩石から水中にナトリウム塩が溶け出しているだろうと同氏は考えている。
しかし、「Nature」誌には、エンケラドスの地下に海が存在するという説に異議を唱える論文も発表されている。
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また、コロラド州にあるサウスウェスト研究所で天文学の研究を行っているジョン・スペンサー氏は、Eリング内でナトリウム塩が発見されたことによって、表面を氷で覆われたエンケラドスの地下に液体の水が存在することを示す有力な証拠が得られたと考えている。
ただスペンサー氏は、この水が海という形で存在する可能性もあれば、表面付近の氷の中にできた
“水たまり”にすぎない可能性もあると指摘する。比較的高温のタイガーストライプ付近では、
ナトリウム塩をわずかに含んだ表面の氷が融解して水たまりが形成され、
その水が蒸発するにつれてナトリウム塩濃度が増すことは十分に考えられる。
「たとえそれが水たまりであっても、その存在が実証されれば画期的なことだ。
いまだかつて地球以外の天体で液体の水が発見されたことはないのだから」とスペンサー氏は話した。
(Image Credit : NASA)