すばる望遠鏡25周年!
「すばる望遠鏡」は、日本の国立天文台がハワイ島のマウナケア山頂に建設した世界最大級の光学赤外線望遠鏡です。1991年に建設が始まり、1999年に完成しました。その名前は、公募によって決定され、プレアデス星団の和名である「すばる」にちなんで名付けられました。
完成から2024年1月で25周年を迎えたすばる望遠鏡はどのような施設なのでしょうか。
すばる望遠鏡の設備
すばる望遠鏡は、標高4,200メートルのマウナケア山頂に位置し、その口径は8.2メートルにも及びます。主鏡は、36枚の六角形の鏡を組み合わせた分割鏡で、コンピューター制御によって常に最適な形状を保っています。
望遠鏡の心臓部である観測装置は、多様な波長の光を観測できるよう、複数のカメラや分光器が搭載されています。これらの装置は、天体の明るさ、色、運動、化学組成などを詳細に分析することができます。
すばる望遠鏡の成果
すばる望遠鏡は、その高い集光力と解像度を活かして、数々の画期的な成果を上げてきました。代表的なものに以下のようなものがあります。
- 初期宇宙の銀河の発見: すばる望遠鏡は、130億光年以上も離れた遠方銀河を多数発見し、宇宙初期の銀河形成の様子を明らかにしました。
- 太陽系外惑星の直接撮像: 2004年には、太陽系外の惑星を直接撮像することに成功し、太陽系外惑星研究に新たな道を切り開きました。
- 暗黒物質の分布の解明: 重力レンズ効果を利用して、目に見えない暗黒物質の分布を描き出すことにも成功しています。
すばる望遠鏡は現在、超広視野主焦点カメラ「Hyper Suprime-Cam (HSC)」を用いた大規模な探査観測が進められており、ダークエネルギーの性質や銀河の進化史の解明に貢献することが期待されています。
また、将来の観測装置の開発も進んでおり、さらなる高解像度、高感度での観測が可能になることで、宇宙のより深い理解につながることが期待されています。