これまでの宇宙飛行士の多くが宇宙飛行中や国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在中に、頭が爆発するとか、異常に重くなるといったような頭痛を経験したと伝えている。
このような感覚を引き起こす原因はまだ完全に解明できていないが、以前から言われている宇宙酔いによるものではないことはわかったと、研究チームの一員でオランダにあるライデン大学医療センターのアラ・ヴェイン氏は話す。
宇宙酔いには、吐き気や実際の嘔吐(おうと)、めまいといったような症状がよくみられるのだが、そういった症状はまったくないという。
今回の調査結果をもとに、研究チームでは“宇宙頭痛”について、宇宙で発症する疾患として、宇宙酔いとは別に新しく独立して分類すべきだと論じている。
そういった症状がおきる可能性の1つには、宇宙での顔面浮腫。
わかりやすくいえば、下半身の体液が上半身に移動し、地球上で逆立ちを長時間続けた場合に似たような症状が現れる。
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また、空気循環が悪いことも症状のおきる原因のひとつとして考えられている。
宇宙飛行士が宇宙船内で作業するとき、酸素を循環させる空調設備が十分でない区域に長時間滞在する場合がある。自分が吐いた二酸化炭素を再び吸い込むことになり、体内の二酸化炭素が過剰になってしまう。