金星は、太陽系内で2番目に近い惑星であり、地球と非常によく似た条件を持っています。金星は、同じ太陽系内である火星よりも多くの共通点を持っており、将来的に人類が探査を行う可能性がある次の惑星となるかもしれません。ここでは、金星が人類にとって有望な惑星である理由と、金星への探査に向けた最近の進展について詳しく説明します。
(image credit NASA)
金星が有望な惑星である理由の1つは、地球に非常に似た条件を持っていることです。金星の大気は地球の大気と非常によく似ており、両方の惑星は二酸化炭素が主成分であることが知られています。金星の大気圧は地球の約90倍であり、地表温度は約470℃と非常に高いですが、地表上の熱が高温の大気に閉じ込められているため、大気圏内の高度が上がるにつれて温度が下がるため、地表から離れるにつれてはるかに過ごしやすい条件が期待できます。また、金星には地球と同様の地形や地質学的な現象が存在することが知られています。これらの条件は、将来的に金星に居住する人類にとって有望な環境を作り出す可能性があります。
金星の探査に向けた我が国の活動として「あかつき」のプロジェクトがあげられます。最初の試みは、2010年5月H-2Aロケット17号機で打ち上げられ、2010年12月7日に金星を周回する軌道へ投入される予定でしたが、起動制御用のエンジンが故障し、投入に失敗しました。2015年12月7日、再度の挑戦で投入に成功し、金星大気のスーパーローションの維持メカニズム解明を行いました。
2021年12月、欧州宇宙機関(ESA)は、金星の大気圏を探査するためのミッションとして「エンビジョン」を発表しました。このミッションにでは、金星の大気圏に降下し、大気の化学組成、温度、風速、気圧などを調査することが目的です。また、このミッションには、金星の地表を探査する「エンビジョン・モジュール」も含まれており、地形、地質学的な現象、地磁場、および地表温度などの詳細なデータを収集することができます。これらのデータは、金星の大気や地表について、今後の探査に必要な情報を提供することが期待されます。
金星の探査には多大なリスクが伴います。金星の大気は火星よりもはるかに濃密であり、地表温度は高いため、探査機や人間が生き延びることは非常に困難です。しかし、金星の探査に成功すれば、地球以外の居住可能な惑星を見つけることができる可能性があります。また、金星は地球と同じ惑星内にあり、探査機を送ることが比較的容易であるため、火星や木星などの外惑星よりも早期に探査が可能となることが期待されます。
金星は将来的に人類が探査を行う可能性がある非常に魅力的な惑星です。金星は地球と非常によく似た条件を持ち、ESAやNASAなどが積極的に金星の探査に取り組んでいます。金星の探査には多大なリスクが伴いますが、成功すれば、居住可能な惑星を見つけることができる可能性があります。今後も、金星の探査に向けた研究が進められ、金星が人類にとってますます魅力的な惑星となることが期待されます。