国立極地研究所:極域研究の最前線
国立極地研究所(National Institute of Polar Research、略称:NIPR)は、地球の両極、すなわち南極と北極における観測・研究を総合的に行う日本で唯一の研究所です。東京都立川市に本部を置き、極域という特殊な環境における地球科学、生命科学、宇宙・地球システム科学などの幅広い研究分野をカバーしています。
国立極地研究所の場所
データ
- 住所:〒190-0014 東京都立川市緑町10−3
- TEL:042-512-0608
研究活動
NIPRの研究活動は、以下の3つの柱に基づいています。
- 観測研究: 南極・北極における現地観測、および衛星や航空機を用いたリモートセンシング観測を実施。これにより、極域の気候変動、生態系、地球内部構造などの解明を目指します。
- 実験・分析研究: 観測で得られた試料やデータの分析、および実験を通じた極域現象のメカニズム解明を行います。
- 理論・モデリング研究: 観測・実験結果に基づき、極域現象を支配する物理・化学・生物学的メカニズムを理論化し、数値モデルを構築します。
南極観測(Antarctic observation)
NIPRは、日本の南極観測事業の中核機関としての役割も担っています。昭和基地をはじめとする南極観測拠点の運営、観測隊の派遣、観測データの収集・管理などを実施しています。
北極観測(Arctic observation)
NIPRは、北極域においても活発な観測研究を展開しています。ノルウェーのスバールバル諸島にあるニーオルスン基地を拠点に、オーロラ、大気、雪氷、陸上生態系などの観測を実施。また、国際共同観測プログラムにも積極的に参加し、北極域の環境変動解明に貢献しています。
社会貢献
NIPRは、研究成果を広く社会に還元するため、以下の活動も行っています。
- 情報発信: 研究成果の論文発表、一般向け講演会、展示会、ウェブサイトなどを通じた情報発信。
- 教育活動: 大学院教育、連携大学院制度、インターンシップなどを通じた人材育成。
- 国際協力: 国際共同研究、研究者の交流、南極条約協議への参加などを通じた国際貢献。
地球温暖化の影響が顕著に現れる極域は、地球全体の環境変動を理解する上で重要な鍵を握っています。NIPRは、今後も観測・研究を通して極域の謎を解き明かし、地球環境問題の解決に貢献していくことが期待されます。